【情報】横手の共助組織 地域を持続させる要だ/湯沢市議会 住民共助の雪対策支援 モデル事業補助金創設へ/消火栓の除雪 手伝って! 敦賀美方消防 3100か所 スマホで確認/積雪量、世界記録は滋賀で

2月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組など
4件を要約してご紹介します。
その他、雪の重みによる小屋や建物の倒壊などが報じられています。
 
 
◆<社説>横手の共助組織 地域を持続させる要だ◆
 
高齢者宅の除雪や生活の支援を行う横手市の共助組織が、
総務省の「ふるさとづくり大賞」の団体表彰(総務大臣賞)を受けました。
住民が自らの手で地域課題を解決する取り組みが高く評価されています。
 
表彰されたのは「共助組織代表者ネットワーク会議」(佐藤克男議長)で、
大森町保呂羽、増田町狙半内(さるはんない)、山内南郷、山内三又の
4地区の共助組織でつくっています。
それぞれ90~220世帯あり、各地区とも幾つかの集落から成っていますが、
いずれも高齢化、過疎化が進む山あいの豪雪地帯です。
「新しい公共」を目指す内閣府のモデル事業として2012年に発足し、
県南NPOセンター(横手市)が組織化を支援しました。
有償ボランティアの「地域お助け隊」を募って高齢者宅の雪下ろしや
買い物などを支援しており、料金は割安に設定しています。
 
支援を受ける側からは
「お助け隊で来てくれる人が顔見知りなので頼みやすい」という声があり、
支援する側からは「高齢者から喜ばれ、励みになる」との感想が出ていて、
支援活動がメンバーの生きがいにつながっていることが分かります。
 
実はお助け隊メンバーにも高齢者は多く、団体表彰の審査では
「元気な高齢者が、支援を必要とする高齢者を支える仕組みは、
今後の高齢化社会に合致する」と評価されました。
 
県南では本年度、美郷町、湯沢市でも共助組織が設立され、
雪下ろし支援などを始めていて、県央、県北にも同様な組織が誕生し、
横手発の共助の仕組みが全県に広がりつつあります。
 
横手の共助組織には今後、より幅広い活動が期待されます。
1人暮らしの高齢者の見守りや配食サービスなど
差し迫った需要もいろいろ出てきそうです。
また、活動を長続きさせるには、
もっと経済的な自立を視野に入れた組織運営が求められます。
 
人口減社会では、税収減を主因に財政が厳しくなるため、
行政がこれまで通り公共インフラを整備し、
公共サービスを維持・向上させるのは難しくなります。
 
そうした背景もあり、最近、公共施設や住宅を
中心市街地に集約する「コンパクトシティー」が注目されています。
しかし、効率を優先するあまり、中心市街地への集約を進めれば、
山間部の集落は中心部への集団移転を迫られかねず、
仮にそうなれば集落は結局、消滅してしまうことになります。
 
「住み慣れた土地に住み続けたい」。
人口は減っても、そんな当たり前の願いがかなえられる社会でありたい、
自分たちの将来は自分たちで決め、心豊かに暮らせるようにしたい。
 
そう考えたとき、地域における共助の仕組みは
これからますます重要になります。
組織発足時の支援にとどまらず、官民の継続的なサポートが
不可欠であることも忘れてはなりません。
(2015/02/22 秋田魁新報)
 

◆湯沢市議会 住民共助の雪対策支援 モデル事業補助金創設へ◆
 
湯沢市議会は、3月定例会を開会し、斉藤光喜市長は施政方針で、
克雪対策として市地域雪対策支援モデル事業補助金を創設し、
町内会などが取り組む住民共助の雪対策を支援すると表明しました。
「15年度はモデル事業として課題や支援の仕方を検証する」と話しています。
(2015/02/26 秋田魁新報)
 
 
◆消火栓の除雪 手伝って! 敦賀美方消防 3100か所 スマホで確認=福井◆
 
市民に消火栓周辺の除雪などに協力してもらおうと、
敦賀美方消防組合は管内(敦賀市、美浜町、若狭町の一部)に
約3100か所ある消火栓と防火水槽の位置を
スマートフォンなどで確認できるシステムの運用を始めました。
大雪の際には雪で埋もれてしまいますが、
職員による除雪は一部に限られるのが実情で、
担当者は「スコップ一かき分だけでも協力してほしい」
と市民に呼びかけています。
 
同組合によると、民家火災の消火活動に消火栓や防火水槽は不可欠ですが、
雪で埋もれていると除雪のために放水が数分以上遅れるといいます。
敦賀市内の積雪が10センチ以上になった場合、
30人程度の職員が除雪に向かいますが、
積雪量の多い山間部などには十分手が回らないこともあります。
 
また、消火活動に協力する消防団員らが地区外に応援に出かけた際、
消火栓などの位置が分からないという声もあがっていました。
 
福井地方気象台によると、敦賀市で10センチ以上の積雪は昨冬に4日、
今冬は21日にのぼります。
管内で昨年発生した火災計27件のうち4件が
冬場(1~2月と12月)に起きています。
 
そこで同組合は、組合ホームページ(http://fire119.ton21.ne.jp/)から
消火栓などの位置を確認できるシステムを開発し、
昨年12月下旬から運用しています。
端末にGPS(全地球測位システム)機能があれば、
画面に最寄りの消火栓などの位置を表示できます。
 
同組合の消防救急課は「大雪の場合、迅速な消火活動に市民の協力が不可欠。
自宅周辺を除雪するついでに、少しだけでも消火栓などの
周辺の除雪を手伝っていただければ」と呼びかけています。
(2015/02/26 大阪読売新聞)

 
◆積雪量、世界記録は滋賀で(でーたクリップ)◆
 
この冬の積雪量は多く、東北や長野、岐阜では平年値を大きく上回っています。
実は日本は世界有数の豪雪地帯で、世界記録は西日本で観測されています。
 
1927年2月14日、滋賀県の伊吹山測候所で1182cmを記録しました。
日本海の若狭湾から伊勢湾に雪雲が吹き抜ける際に伊吹山にぶつかるため、
豪雪になりやすい地域だといいます。
ただすでに測候所は廃止されており、現在は観測されていません。
 
気象庁が整備した地域気象観測システム(アメダス)など
323地点で積雪量を観測しています。
アメダスでの記録は2013年に青森市の酸ケ湯で記録した566cmです。
地球温暖化が進む一方で、日本の降雪量や積雪量は増えています。
積雪量の上位20位を見ると、13年以降に観測された記録が4つ入っています。
つい最近では、2月15日に檜枝岐村で339cmの積雪があり、15位に入りました。
気象庁によると、雪が多く降っただけでなく、強い寒気の影響で気温が上がらず、
降った雪が溶けにくい状況が続いたためだといいます。
 
北極海の氷が減ると日本は寒くなる傾向にあるという研究報告もあります。
これからも記録的な大雪は度々記録されるのでしょうか。
(2015/02/27 日本経済新聞)

​【情報】降雪の少ない地域の人に雪かき技術を学んでもらおうと/村岡でボランティア活躍/雪はねボランティアツアーに注目が集まる/厳寒、車内のサバイバル術は/屋根の融雪装置などに県補助/防災まちづくり大賞 「災害ボランティアセンター」/高齢者向けに雪下ろし支援、総務省

2月前半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組など
7件を要約してご紹介します。
今回の記事でも、前回に引き続き、今年度の克雪体制支援調査で
取り組んでいる片品村、香美町の取組と、当別町の取組が紹介されています。
 

★雑記帳:降雪の少ない地域の人に雪かき技術を学んでもらおうと…★

降雪の少ない地域の人に雪かき技術を学んでもらおうと、群馬県片品村で4日、「雪かき体験会」がありました。
村社会福祉協議会が初めて企画し、前橋市、群馬県榛東村、埼玉県上尾市から約30人が参加しました。
片品村は、自力での雪かきが困難な独居高齢者らの世帯をリスト化し、雪かきを実施しています。
昨年2月に関東北部が記録的な大雪に見舞われたこともあり、村外にも雪かきボランティアを育て、豪雪災害に備える狙いがあります。
体験会の参加者は「久々に雪を楽しめる」と笑顔で、かまくら作りにも挑戦しました。
5日は大雪の予報。早くも「実戦」で役立つかも。
(2015/02/05 毎日新聞)

★雪はねボランティアツアーに注目が集まる/除雪で地域交流を拡大 移住や新産業創出にも期待★

[情報提供] Japanology Plus

みなさま。

先日大雪警報が発令されていた兵庫県香美町でも、無事にそして
安全に「除雪ボランティアin村岡」が開催されたようでなによりです。
それにしても、そろそろ雪が落ち着く季節になってほしいですね。

さて。先般、海外に日本を紹介するNHKワールド(BS)の中の番組で、
「Japanoly Plus」というものがあり、2/12に放映されました。

今回は雪国がテーマで、雪に対する文化、克雪、外国の人からみた
様々な視点でうまくまとめられています。そして、司会のピーター・バラカンと
一緒に進行しているのは、沼野先生です!

そして越後雪かき道場の私も(得意の英語を活かして)登場しています。
※実は日本語でやってくれと言われ、英語は話していません・・・・


NPO中越防災フロンティア 木村

【情報】除雪ボランティア 登録制度を創設/除雪ボランティアの活動 安全に 指導者養成 雪かき道場/(見聞録)除雪支援、若者も担える体制を/(除雪考)助け合い、広がる組織/広域的な連携必要 「ゆきみらい」シンポ

1月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組などを要約してご紹介します。
今回の記事の中には、平成24年度、平成25年度の克雪体制支援調査で取り組んでいた高島市の成果である滋賀県の記事をはじめ、今年度の三瀬や香美町での取組も紹介されています。
  

◆除雪ボランティア 登録制度を創設 滋賀県センター◆
 
滋賀県ボランティアセンター(草津市)が、過疎高齢化に悩む県内の豪雪地帯などで、除雪作業を手伝うボランティアの登録制度を創設しました。ボランティアは大雪の際に民家の雪かきを助けるほか、日頃から住民と交流を深めて、過疎地の活性化にも一役買ってもらうことにしています。
県内では、長浜、高島、米原、大津の4市の一部が国の豪雪地帯に指定されています。同地帯の多くで人口減少が進み、雪下ろしや雪かきが負担になっており、同センターが「緊急時に広域的な支援ができるように」と同制度を考案しました。

​【情報】札幌の雪 東京五輪に涼 NPO法人が活用構想/厳寒下 再生エネ融雪 稚内で実証実験/除雪中事故 防止急げ 県、講習会前倒し

1月前半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組などを要約してご紹介します。この他、東北から西日本の日本海側にかけて、降雪量が例年より多く、各地で豪雪対策本部や雪害対策本部、豪雪警戒本部が例年より早く設置されたとのニュースが報告されています。
 

◆札幌の雪 東京五輪に涼/NPO法人が活用構想◆
 
NPO法人雪氷環境プロジェクト(札幌市)が、2020年の東京五輪で札幌周辺の雪や氷を冷房などに使う構想を発表しました。
札幌市では、毎年200億円近くかけて、70箇所以上の堆積場に2,000万立方メートル弱の雪を捨てています。この一部を東京に運び、マラソンコースに雪壁を設置したり、選手村の冷房に活用したりする構想を大会組織委員会に提案することにしています。
この他にも、道外の豪雪地帯と協力して、国内に3箇所程度の雪室を設け、全国各地で春に咲く花の開花時期を五輪の時期にずらし、地方ごとの様々な花で羽田空港や競技会場を飾る構想もあるということです。
(2015/1/8 日本経済新聞)
 
 
◆厳寒下 再生エネ融雪/稚内で実証実験 太陽光パネルや蓄電池/道内外3社と道◆
 

​【情報】豪雪を観光資源に活用 かまくらで但馬牛を/雪下ろし 命綱で安全確保を/力結集、雪下ろし支援

12月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組などを要約してご紹介します。この他、各地で大雪による除雪中の事故などが報告されています。
 

◆豪雪を観光資源に活用 かまくらで但馬牛を
 
豪雪地帯である兵庫県香美町の村岡区にある植物園の駐車場に、雪国の雰囲気をかまくらで楽しみながら、但馬牛肉のバーベキューなどを味わうレストラン&バーが開業します。
この植物園では、これまで冬期間は営業を休んでいましたが、かまくらをつくり、雪の観光利用として活用することを発案し、今年2月に商工業者や畜産農家らでつくる有志団体を対象に試行し、好評でした。
植物園では、駐車場に大人が4人程度入れる直径2.5m程度のかまくらを10棟程度用意し、中では地元で育てた但馬牛の焼き肉などを味わうことができるほか、雪遊びなどが楽しめるコーナーも設置しています。
(2014/12/19 神戸新聞)
  
 

【情報】全国わがまちコンテスト 横手市制作のCM、克雪描き優秀賞/社説 官民協働の除雪態勢を/大雪 北陸で4人死亡/雪下ろし中に転落か、弘前で女性死亡

11月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組などを要約してご紹介します。この他、本格的な降雪期に入り、各地で除雪中の事故などが報告されています。
 


◆全国わがまちコンテスト 横手市制作のCM、克雪描き優秀賞
 

【情報】動きだした孤立無業者 秋田・藤里町社協の挑戦/長野北部地震:余震、避難所の憂鬱 豪雪の村、「仮設は無理」/「白馬の奇跡」防災モデルに 住民連帯で死者ゼロ/「めど立たずつらい」 避難生活者、疲労の色濃く

11月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組を要約してご紹介します。その他、長野県北部の地震に関連する記事や冬本番に備えて着々と準備が進められていることなどが報じられています。
 

◆秋田県_動きだした孤立無業者 秋田・藤里町社協の挑戦◆
 
人口3,600人、高齢化率4割を超える豪雪地帯である藤里町において、町社会福祉協議会では、2010年に就労訓練施設「こみっと」を開設、実際に仕事を体験できる場として、施設内に喫茶店のほかお年寄りらが集うサークル室、会議室なども備え、自立して生活する宿泊施設も敷地内に建設しました。
こみっとには現在、孤立無業だった住民約30人が登録しています。パソコン技術を学んだり、ヘルパー2級資格を取得できたり、そうした就労支援にとどまらず「お金が入り、やりがいが持てるよう仕掛けを用意した」といい、以下のような事業を行っています。

・買い物ツアー:買い物が不便なお年寄りを車で送迎、就労訓練に通う登録者が付き添い、買い物をサポート
・まいたけキッシュ:町特産のマイタケを使った軽食、JR秋田駅などで販売。町の名物に育てようと取り組む。手作り弁当の配食サービスも開始

【情報】適地調査、年内公表へ 雪冷熱活用データセンター/加賀藩、除雪で弱者配慮/「重複除雪」解消を要請/道内 早くも銀世界

11月前半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組を要約してご紹介します。その他、11月前半は本格的な降雪期を前に、各地で様々な克雪の準備の取組みが行われています。
 

◆適地調査、年内公表へ/雪冷熱活用データセンター/県産業労働観光部/◆
 
新潟県産業労働観光部産業振興課は、民間主導のデータセンターを誘致するための「データセンター向け雪冷熱活用適地調査」について、年内に公表する方向で作業を進めています。
 調査対象は糸魚川市(1カ所)や柏崎市(1)、魚沼市(2)、小千谷市(2)、上越市(2)、十日町市(2)、長岡市(2)、南魚沼市(2)、妙高市(2)、阿賀町(2)、津南町(2)の計11市町20カ所に上り、コンピュータ放出熱の冷却に雪冷熱エネルギーを活用することで、クリーンで電力消費が少ない次世代のデータセンター立地を目指し、アセスメント後は適地の自治体と連携し、データセンターの立地に向けた取り組みを進めていくことにしています。
 全国的には北海道美唄市がホワイトデータセンターを検討しているものの、設置に至った例はなく、実現すれば全国初ということです。なお、北海道では120カ所程度で調査が行われました。

​【情報】屋根の雪対策 上がらずに済む知恵を

11月の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組を要約してご紹介します。この他にも、各地で除雪車の出動式など、除雪体制を整える記事が掲載されていました。
消防庁が3月末にまとめた雪の被害状況によると、昨季は全国で95人が亡くなっており、秋田県の死者は17人で、北海道と並び全国最多でした。屋根の雪下ろしなど除雪作業中に亡くなった人が多く、高齢者が大半を占めています。累積降雪量が28年ぶりに10メートルを超えた横手市では5人が死亡し、4年連続の大雪に悩まされた県南地方では、新たな雪対策を模索する動きも見られます。
 
除雪作業中の事故では、命綱やヘルメットの未着用が多く、安全意識の徹底が欠かせませんが、高齢化が進む中、雪下ろし作業を担う人手の確保は今後ますます難しくなります。さらに費用負担も家計に重くのしかかるため、可能な限り雪下ろしの回数を減らす、あるいは不要にする方法を考えていく必要があり、これまでにも、さまざまな克雪型住宅が既に提案、新築されていますが、建築・維持費用の問題や、屋根の形状によっては広い敷地が必要なことなどから、それほど普及しているとはいえません。

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