​【情報】屋根の雪対策 上がらずに済む知恵を

11月の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組を要約してご紹介します。この他にも、各地で除雪車の出動式など、除雪体制を整える記事が掲載されていました。
消防庁が3月末にまとめた雪の被害状況によると、昨季は全国で95人が亡くなっており、秋田県の死者は17人で、北海道と並び全国最多でした。屋根の雪下ろしなど除雪作業中に亡くなった人が多く、高齢者が大半を占めています。累積降雪量が28年ぶりに10メートルを超えた横手市では5人が死亡し、4年連続の大雪に悩まされた県南地方では、新たな雪対策を模索する動きも見られます。
 
除雪作業中の事故では、命綱やヘルメットの未着用が多く、安全意識の徹底が欠かせませんが、高齢化が進む中、雪下ろし作業を担う人手の確保は今後ますます難しくなります。さらに費用負担も家計に重くのしかかるため、可能な限り雪下ろしの回数を減らす、あるいは不要にする方法を考えていく必要があり、これまでにも、さまざまな克雪型住宅が既に提案、新築されていますが、建築・維持費用の問題や、屋根の形状によっては広い敷地が必要なことなどから、それほど普及しているとはいえません。
今住んでいる住宅を克雪型にしようとする場合は、多額のリフォーム費用が必要となります。あまり費用を掛けず、雪下ろしの不要な住宅に改造する方法はないものか―。官民が連携した「横手市の新しい屋根雪対策を考えるNPO」は、そうした切実な市民の声を受けて誕生しました。
 
ユニークなのは、屋根全体ではなく、まずは軒先の雪をなくす方法を探ろうとしていることです。
軒先に積もった雪は屋根の破損や雨漏りを招き、落雪は窓破損の原因になるため、住人が最も心配しますが、屋根上部の積雪は、ある程度までは危険性はないとされ、軒先の雪さえ取り除くことができれば、雪下ろし回数の減少につながるということです。また、屋根全体の融雪は電気代などもかさむため、軒先に限定して費用を削減しようという考え方です。
NPOを構成する複数の業者が電気や温水による融雪設備、雪を滑りやすくする塗料などを提案し。この冬に市内の民家で実証実験を行い、結果を市民に知らせることにしています。
(2014/10/19 秋田魁新報)

この記事をシェアする