【情報】全国わがまちコンテスト 横手市制作のCM、克雪描き優秀賞/社説 官民協働の除雪態勢を/大雪 北陸で4人死亡/雪下ろし中に転落か、弘前で女性死亡

11月後半の各地の新聞の中から、雪対策に関連する興味深い取組などを要約してご紹介します。この他、本格的な降雪期に入り、各地で除雪中の事故などが報告されています。
 


◆全国わがまちコンテスト 横手市制作のCM、克雪描き優秀賞
 
 「全国わがまちCMコンテスト2014」(実行委員会主催)で、横手市が制作したCM「雪に負けない横手市」が2席に当たる優秀賞に輝くなど、応募した3作品全てが入賞・入選を果たしました。コンテストは地域の情報発信力を高め、活性化につなげるのが狙いで、これまで関東地方を対象に実施していましたが、今年初めて全国から作品を募集し、118作品の応募がありました。
 優秀賞の「雪に―」は、大雪に負けず除雪に取り組む親子を描いた作品で、方言に合わせて標準語の字幕をつけたり、最後に除雪車が一気に雪を片付ける場面を盛り込んだりしてユーモラスに仕上げています。審査員からは「地域を愛する若者の思いが伝わってくる」などの評価を受けていました。
 このほか市の四季折々の風景を映した「田舎世界遺産」が努力賞に、市のウオーキングキャラクター「てくてくん」が登場する「そんな横手が好きだから」が入選しました。いずれも市秘書広報課を中心に職員がアイデアを出し合って制作したもので、同課では「東京に地方の思いが伝わった」としています。「雪に―」は市のホームページで見ることができます。
(2014/12/05 秋田魁新報)
 
 
社説 県内、冬本番 官民協働の除雪態勢を
 
 本格的な降雪期に入ってきましたが、豪雪地では、日々の雪かき・雪下ろしに苦慮し、住み慣れた土地から離れることを考える住民もいます。また、行政に対する冬場の苦情で最も多いのは、除排雪に関するもので、除雪をめぐる近隣トラブルも少なくなく、県内では今年1月、男性が死亡する事件も起きています。
 市民生活に直結する、雪道の安全確保は雪国の自治体の最重要課題ですが、近年は高齢化や過疎化対策の観点から除排雪サービスをより重視する市町村も出てきました。
 
 村山市は昨冬から、除雪計画の重点方針に「住宅の間口に配慮したきめ細かな除雪」を掲げ、可能な限り住宅敷地などの前に雪を残さない心配りを委託業者に求めています。雪国のハンディを軽減し、高齢になっても暮らしやすい環境を整備していくのが狙いです。 同市は今冬、以下のような除雪路線図を各世帯に配布することを計画しています。
・市内を11ブロックに分割
・路線図にはそれぞれ国、県、市が除雪を担う道路を色分けして表示
・市管理の路線については除雪を担当する委託業者名と連絡先を記載
 こうしたことで、役割の明確化、情報の開示を通じて業者の意識高揚を促し、除雪サービスを向上していこうという試みです。
 
 とはいえ、道路の除排雪費は市町村財政を圧迫しており、機材や人員の大幅増強は見込めない中、除排雪の全てを行政に頼るのは無理があります。むしろ地域の実情に合わせ、これまでの「自助」「共助」「公助」それぞれの機能を見直し、新たな相互連携の在り方を構築していくべきでしょう。
 
 県の働き掛けを受け、2008年1月に村山市袖崎地区で初めて実施された官民協働一斉除排雪では、
・県道の沿線住民が協力して敷地内や生活道路の雪を排出
・県は民家から出された雪も一緒に処理
・住民側はダンプカーの借り上げ料などを一部負担
という手法で行いました。こうした「パートナーシップ除排雪制度」といわれる官民連携は県内各地に広がっていて、
▽地域単位で行う一斉除排雪
▽高齢者など要援護者に代わって行う雪下ろし
といった作業に対する行政の支援メニューが次々出されています。高齢化や過疎化などに伴い、除排雪の人員が確保できない地域では除雪ボランティア活用の仕組みも導入されています。
 
 こうした官民協働の態勢づくりは地域の「克雪力」を高め、ひいては地域防災力の向上にも結び付きます。長野県北部での地震は、防災、減災を図る上で地域コミュニティーの果たす役割の大きさを再認識させました。豪雪地を多く抱える本県では、大地震や風雨災害への備えもさることながら、克雪に対する地域力を再チェックしていく必要があります。
(2014/12/08 山形新聞)
 
 
大雪 北陸で4人死亡 富山 高齢夫婦 車が川に転落か
 
 大雪の被害は7日、北陸にも広がり、雪の影響とみられる事故で4人が死亡しました。
 
 7日午後1時25分頃、富山県高岡市福岡町の県道脇で、70代の夫婦が雪の中で死亡しているのを、警察などの捜索隊が見つけました。警察の発表では、2人は6日に行方がわからなくなり、7日午前10時半頃、通行人が近くの川(幅約3メートル、水深約15センチ)で軽トラックを発見、警察などが付近を捜索していました。警察では、2人が軽トラックで県道を通行中、雪で滑るなどして川に落ち、車外に出て凍死した可能性があるとみています。同市などでは、5日から7日午前10時まで大雪注意報が出ており、県によると、7日朝に現場の約4キロ先で約80センチの積雪を記録していました。
 
 同市に隣接する富山県氷見市では、7日午前11時頃、60代の男性が、自宅脇側溝(深さ約30センチ、幅約60センチ)で雪に埋もれて死亡しているのが見つかりました。警察の発表では、男性は6日に知人宅で酒を飲み、午後8時頃、歩いて自宅に向かったということで、誤って転落したものとみています。
 
 また、福井県では7日午前11時15分頃、永平寺町の民家敷地内で、80歳代の住人とみられる男性が雪に埋もれているのを近くの住民が見つけ、病院で死亡が確認されました。警察では、屋根から落ちた雪に埋もれた可能性もあるとみて調べています。
(2014/12/08 東京読売新聞)
 
 
雪下ろし中に転落か、弘前で女性死亡 /青森県
 
 11日午前9時ごろ、弘前市の70代の女性が、自宅の庭で倒れているのを近所の住民が見つけ、119番通報しました。女性は病院に搬送されましたが、頭を強く打ち、約5時間半後に死亡が確認されました。警察によると、女性の1階の屋根(高さ約2.8メートル)の雪に除雪用の雪ベラが刺さり、女性は屋根付近の庭に倒れていたため、女性が雪下ろし中に転落したとみています。
警察によると、雪害による死亡事故は県内で今季初めてということです。
(2014/12/12 朝日新聞)

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